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外構などに関する豆知識や、
コンストラクターマキ工務店のお知らせなどを掲載しています。
2020.07.17
外構(エクステリア)工事と言えば、ブロック塀、フェンス、カーポート、駐車スペースの土間コンクリートなどがあります。
建築、土木業界で長らく働いてきた経験から、今回はコンクリートブロックについて書いていこうと思います。
目次 |
1、そもそもコンクリートブロックって何? |
|1、そもそもコンクリートブロックって何?
コンクリートブロックは別名で、建築用空洞ブロックと言います。
読んで字の如く、ブロックの内部は基本的に空洞になっています。
縦190mm×横390mm×幅150mmの建築用空洞ブロック
ここでの最大の注意点ですが、コンクリートブロックとは言うものの、構成されている成分がコンクリートでは無くモルタルであるという事です。
コンクリートとモルタルの違いについては、失敗しないための外構(エクステリア)講座! 土間コンクリート編でもお伝えしていますが、一部紹介します。
コンクリートの主成分は、セメント、水、細骨材、粗骨材、混和材で構成されています。
各成分の詳細は以下の通りです。
セメント・・・石灰石、粘土、けい石、鉄原料、せっこう
水・・・水
細骨材・・・砂
粗骨材・・・砂利
混和剤・・・AE剤、減水材、その他
モルタルの主成分は、セメント、水、細骨材から構成されていています。
各成分の詳細は以下の通りです。
セメント・・・石灰石、粘土、けい石、鉄原料、せっこう
水・・・水
細骨材・・・砂
コンクリートと比べるとセメントの量や種類、粗骨材や混和材が入っていないので強度はかなり低下しますが、砂利などの粗骨材が入っていない為、細かな造形が可能となっています。
|2、建築用空洞ブロックの用途と特徴
建築用空洞ブロックが使用される主な用途は以下の通りです。
1、隣地境界を囲う為のブロック積
2、門柱や目隠しなどの塀
3、軽微な段差や階段
4、その他
使い勝手の良さ、施工の速さ、費用が安価である事と、モルタルの特徴である細かな造形が可能である為、デザインが豊富に存在します。
一方で、主な構成がモルタルである事による強度不足と、耐水性が無い事による経年劣化(内部鉄筋の腐食など)がデメリットで、15年以上経過したものについては倒壊の危険性があります(一部耐水性を有した製品もある)
ひび割れや傾きなどが目視で確認出来た場合は、すでに危険な状態になっている事が多いので早急な対策が必要です。
|3、危険なブロック塀の見分け方
ブロック塀とは、建築用空洞ブロックを積み上げて造る塀の事を言います。
上の項目でも書いたきた通り、建築用空洞ブロックの成分はモルタルで造られていますが、ブロック同士を繋げるジョイント部分にも異形鉄筋を入れた後で、モルタルを補填します。
赤い線が異形鉄筋入りのモルタルが補填されている範囲(赤い線以外の範囲は空洞)
危険なブロック塀を判断する為の、簡単なチェック項目は以下になります。
・ブロック塀の下に鉄筋で補強されたコンクリートの基礎が無い
・ブロック塀の高さが、敷地と道路の低い方の地盤から2.2m(11段相当)を超えている
・ブロックの厚みが12cm未満である
・ブロック塀の高さが、1.2mを超えている場合で3.4m以下ごとに控壁が設けられていない
・外見上、劣化やひび割れ等が見られる
・ブロック塀を敷地の土留として使っている
・ブロック塀が傾いている
・ブロック塀を造って15年以上経過している
該当するものが一つ以上ある場合は注意が必要です。
この他にも基礎の形状、大きさ、根入れなどは建築基準法通りに施工されているか、鉄筋の加工や配筋が適切にされているかなど注意点はありますが、一般の方でこれを判断するのは非常に難しいと思います。
建築、土木業界で長らく働いてきた経験から、老朽化したブロック塀を解体してフェンスや生垣などにリフォームした事例も数多くありますが、特に古いブロック塀に関して言えば、適切に配筋してあるブロック塀に遭遇した事は、ほとんどありませんでした。
危険なブロック塀の詳細については、こちらから確認してみてください!
高槻市学校ブロック塀地震事故では、いい加減な工事をした結果が生んだ事故と言っていいでしょう。
建物やブロック塀などの構造物は、土地所有者か建物の所有者が管理を行わなければならない法律があります。
通学路などに指定されている人の行き来が多い場所は、特に注意を払って下さい。
地震、台風、水害などで自宅やブロック塀が倒壊した時、誰かを傷付けてしまえば責任は重くのしかかる事になってしまいます。
そもそもブロック塀というものは丈夫な構造体では無いので、弊社ではフェンスや後述するコンクリート製の擁壁にリフォームすることを推奨しています。
|4、建築用空洞ブロックを使用してはいけない場所
建築用空洞ブロックを使用してはいけない場所としてお伝えしたいのは、土留めとしての使用です。
ここで一般の方が思うのは、土留めって何?だと思います。
土留めと言うのは、敷地内もしくは隣地境界付近で段差の発生する場所に設置するコンクリート構造物の事を言います。
土留めが使われる場所の例
土留めは土圧と言う圧力に耐え得る構造、強度でなければならない為、モルタル制では無く当然コンクリート製でなければなりません。
土留工事はブロック塀(建築用空洞ブロック)ではなく、上の図で紹介したコンクリート製の擁壁や間知ブロック積で必ず行うようにして下さい。
ブロック塀(モルタル)と擁壁(コンクリート)の特徴比較
強度 | 耐久性 | 耐水性 | 費用 | 工期 | 土留め利用 | |
ブロック塀 | 低い | 15年以下 | 無 | 安い | 短い | ☓ |
擁壁 | 高い | 50年前後 | 有 | 高い | 長い | 〇 |
全国建築コンクリートブロック工業会でも建築用空洞ブロックの土留めとしての利用は二段まで(一部耐水性製品を除く)が推奨値とされています。
土圧に耐えられる構造ではない事と、上の表からも分かるように耐水性が無い為、中の鉄筋が錆びて酸性化し、劣化してしまうと言うのが主な理由です。
普通の塀としても丈夫な構造体とは言えないものを、土留めとして利用するのは土木の観点から言えば論外。
しかしながら、世の中にはその危険なものが数多く存在しています。
理由は単純で、費用が安い事と土留めに関する知識が無い業者が工事をしている事に終始します。
土留工事に関しては、土木の知識を持った優秀な技術者を有する専門業者に必ず依頼して下さい。
その他には、上で紹介したチェック項目や敷地内外の高低差、敷地の風通し(風圧)の状況などにも注意するといいでしょう。
|5、擁壁の種類
擁壁には、門柱や塀などで使うものと、4、建築用空洞ブロックを使用してはいけない場所で紹介した土留擁壁などがあります。
土留工事の種類は多岐に渡りますが、簡単に説明します。
1、型枠ブロック積・・・外見は建築用空洞ブロックと似ていてデザインも豊富。内部にコンクリートと異形鉄筋を入れる事が出来るため土留めとして使用できる。
2、L型擁壁・・・型枠を組んで異形鉄筋を入れた後、コンクリートを打設して造る。名古屋市型擁壁などの高強度の仕様もある。仕様を変える事で門柱や塀など土留め以外にも使える為、用途は多岐に渡る。
3、プレキャスト擁壁・・・外見はL型擁壁と似ているが、工場であらかじめ生産された所謂コンクリート二次製品。
4、重力擁壁・・・台形の形をしたコンクリート構造物で、自重で土圧に耐える構造。応力がかからない為、配筋は不要。
5、間知ブロック積・・・土木の世界ではコンクリートブロックと言えばこれになる。こちらの成分は当然コンクリート。
ここまで読んで頂いていればお分かりだとは思いますが、当然1~5の全てがコンクリート製で、2~4が土留擁壁となります。
一般の住宅などでは1~3が多いですが、高低差が大きい場合や施工面積などにもよって施工方法を選定します。
13mmの異形鉄筋が一本ずつしか入っていないブロック塀(赤い線の部分)
13mm~16mm以上の異形鉄筋でダブル配筋の名古屋市型擁壁
上の2つの画像を見てもらえば分かるように、土留めとして考えるなら鉄筋量だけでもこれだけの差があり、さらにモルタルとコンクリートの強度の違いを加味すれば、その差は歴然となる訳です(門柱や塀などに使う擁壁はシングル配筋が多い)
丈夫なものにすれば費用は当然高くなりますが、高い安いだけを見て決めるのではなく、丈夫で安全なものが必要な場所には、その場所に最適な工法で工事をする事が大切だという事を、是非覚えておいて下さい。
|6、まとめ
今回はコンクリートブロックについてのポイントや注意点を、一部ではありますが紹介してきました。
CONSTRUCTOR マキ工務店では、コンクリート工事のスペシャリストとして、見た目や価格だけではなく、丈夫、安全、使いやすさ等を重視した施工を心掛けています。
アフターサービス面では、定期的な点検は勿論ですが、台風等の災害が接近している場合は、自主的にパトロールも行っています。
災害に繋がる危険なブロック塀の撤去やリフォームの推進、外構(エクステリア)工事、土留めや月極極駐車場などの土木(造成)工事、その他家廻りのフォームなど、建築から土木まで幅広く対応しております。
是非、お気軽にご相談ください!
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